プロカメラマン養成講座の闇

世の中には「プロカメラマン養成講座」というものがありますね。

半年とか1年受講するとプロカメラマンになれるという夢のような講座が本当に存在するんですね。

ただここで言う「プロ」というのは報酬をもらって撮影をする人のことを言っています。

上手い下手は関係ない。

提案できるできないは関係ない。

外部照明が使える使えないは関係ない。

ただ単に記録ができるかできないかの問題です。

結婚式を記録するとか、運動会を記録するとか、家族の記念日を記録するという仕事です。

こういう仕事は記録が目的ですので写っていれば基本的には報酬がもらえます。

半年や1年もかけずとも誰でもすぐに仕事にできます。

マニュアルモードを覚えなくてもカメラのオートモードを活用すれば構図を決めてシャッターを押すだけです。

この人達を「プロ」と言えるのでしょうか？

だとしたら電気屋さんでカメラを購入したら誰でもプロカメラマンになれるということになってしまいます。

僕が想像するプロのカメラマンというのはカメラのマニュアル操作は当たり前ですが、光や色を思い通りに扱うこともできて、過酷な環境でも対応できて、データの管理も適正にできて、レンズの知識も豊富で、印刷の知識も豊富で、多種多様な業種に一般の方以上に精通している…。

こんなに大変なことを半年や1年の養成講座で身につけることはできません。

「プロカメラマン養成講座」ではなく「撮影担当者養成講座」というのが正解ですね。

僕はコマーシャルスタジオで下積みを始めていますのでカメラマンになるまでに10年くらいはかかっていると思います。

若い頃は「君みたいな若僧で本当に大丈夫なの」という視線に苦しめられました。

現像してプリントしたものを見せるまで信じてもらえませんからね。

そういうトラウマがあるために、未だにプロカメラマンと名乗るのは気が引けてしまいます。

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